日本の脱毛事情についてご紹介します。

日本スキン・エステティック協会

日本の脱毛事情

私は大手エステティックサロンを退社後、2001年に美容電気脱毛専門サロンをオープンしました。
その後、店舗を増やしつつ美容ライト脱毛やフェイシャル・ボディメニューの導入、スタッフの教育、サロンマネジメントに携わりました。
現在は、美容電気脱毛の素晴らしさ・やりがい・奥深さを伝えたいとの思いから、スクール事業、コンサルティングの他、プライベートサロンにて施術も行っています。
そこで、これまでの脱毛士の経験から最適な脱毛方法の選択とスタッフ教育についてお話しします。

美容電気脱毛専門サロンスタート

2001年当時、エステティックの脱毛と言えば美容電気脱毛が主流で、まだまだライト脱毛・IPL脱毛の認知度は低い時代でした。
一番人気のワキのフリーパスは、口コミ・紹介のみで、多い時は1ヶ月に15件販売していました。
フリーパスというのは「脱毛が完了するまでサロンに通える」という商品です。

当時の料金システム(2001年)
ブレンド法 高周波法 フリーパス(ブレンド法)
1時間10,000円 1時間14,000円 98,000円

主流はブレンド法から高周波法の施術へ

レーザー脱毛、美容ライト脱毛の登場により、美容電気脱毛もスピードを重要視する時代に移っていきました。
その流れを受けて、私のサロンでも主流はブレンド法から高周波法へと移行し、2009年より美容ライト脱毛も導入しました。

私のサロンでは、ブレンド法の処理時間の目安として、通常ワキは少量の少ない方ですと完了まで6〜8時間、毛量の多い方で15時間以内、平均で10時間前後でした。
ですから『フリーパス98,000円』でも利益は出ましたが、予約がいっぱいになると新規顧客が取り込めなくなってしまうので、 いかに処理時間を縮めるかが課題でした。
お客様とサロンにとって、高周波法は処理時間が短縮出来る、非常に有効な技法です。

ブレンド法と比較した高周波法の特徴

メリット デメリット
・施術時間の短縮
・痛みの緩和
・新たに技術トレーニングが必要
・多少、肌への熱の影響が強い

高周波法のメリットとしては、施術時間の短縮と痛みの緩和があげられます。このことにより、お客様の数を増やすことが可能になりました。
その一方で出力や使用するプローブの違いから、挿入深度の違いなど高周波法を習得するためにプラスする技術トレーニングが必要となってきます。
ブレンド法に比べ出力が高いので、多少皮膚表面に熱の影響でダメージを与えるため、 水分の多い皮膚ではオーバートリートメントの可能性も出てくることから、当時は顔の脱毛はブレンド法で対応していました。
また、お客様には最初の説明でカサブタの可能性も伝えていましたが、実際にはほとんど出来ず、皮膚トラブルのクレームはありませんでした。

高周波法では挿入の的確さが効果に影響しますので、高度な技術力が必要になります。
施術の時に生えてきている毛を見れば、前回未処理だったかどうかがわかります。細く柔らかい生え始めの毛ではなく、途中からちぎれているような毛が多く見られた場合は、その前の施術の担当スタッフのテクニックの見直しが必要です。

的確な高周波脱毛処理のための重要ポイント

①プローブの選定 カルテ確認と毛質で判断する。
前回から期間が空いていたら、
毛は成長し毛包は深くなっているのでサイズを見直す。
②皮膚を引っ張って伸ばす 的確な挿入をする為に、もう一方の手で曲がった毛包を修正するために皮膚を張る。
特に高周波法では重要。
③適切なパワーと
秒数のバランス
毛包の深さに対し、プローブをどこまで挿入するかにより秒数を変える。
脱毛器によって、また同じ人でも毛周期によって変わる。
④正確な挿入と深度 成長期の毛で深度を計る。
深すぎると抜けず未処理、浅すぎると炎症、
オーバートリートメント、未処理。
⑤ペダルの踏み込み 踏み込み方はプローブに流れるサーモリシスに影響する。
しっかり挿入してから踏み込み、
完全に高周波が流れ終わった事を確認してからペダルを離す。
⑥プローブを一拍おいてから抜く 挿入後、すぐにプローブを抜くと
毛包内に適切な熱原型が作られず未処理になりやすい。
また、痛みも伴う。
⑦毛のゆるみ具合を確認し、ターゲットポイントを変え
再挿入
毛のゆるみ具合を確認し、
太い毛は毛乳頭をイメージして1回目と違うポイントに再挿入、
⑤ ⑥に注意して挿入する。
最後の仕上げとなる重要な作業。

※見えない毛包の中に対して設定するので、脱毛士の経験と技術力が必要になります。

より痛みの少ないスーパーフラッシュ法の導入

美容ライト脱毛が全国的に普及し一般的になってくると、ワキ、脚、腕等の広範囲箇所の希望が激減し、レーザー脱毛での残り毛処理や、眉・口周り・粘膜付近などのデリケート部位の美容電気脱毛の希望が増加しました。
そこでスーパーフラッシュ法を導入したのです。
特にデリケート部位では、より痛みの少ないスーパーフラッシュ法が効果を発揮しました。

最適な脱毛法が選べるサロン作りへ

2009年、美容電気脱毛3技法と美容ライト脱毛3機種の合わせて6種類の脱毛から、広範囲やリーズナブルに脱毛したい場合は美容ライト脱毛、確実に毛を無くしたい部位には初めから美容電気脱毛で、というように脱毛したい部位や予算など、個々に合った方法をカスタマイズ出来る“総合脱毛サロン”を展開し始めました。

美容電気脱毛3技法

ブレンド法 高周波法(フラッシュ法) 高周波法(スーパーフラッシュ法)
一本あたりの処理時間の目安
3〜20秒※
一本あたりの処理時間の目安
1秒以下※
一本あたりの処理時間の目安
0.01〜0.05秒

※出典:日本スキン・エステティック協会ホームページより

脱毛法の比較

美容電気脱毛 美容ライト脱毛
脱毛効果 永久脱毛 除毛・減毛
脱毛できる毛・肌の種類 今生えている全ての毛
(産毛・白髪も可能)
全ての肌の色に対応可能
毛周期の成長期のみ
(産毛・白髪は不向き)
肌色・肌質を選ぶ
脱毛期間 1年〜1年半で終了 2〜3ヶ月おきに定期的に継続脱毛
特徴 一本ずつ処理をするので
時間はかかるが、
永久性・安全性が保証されている
肌に負担をかけずに処理するので
仕上がりが美しい
一回の施術時間が短い
ほぼ痛みがない
定期的な継続脱毛が必要

※※出典:日本スキン・エステティック協会発行「美容電気脱毛のすすめ」リーフレットより

【スタッフの教育・育成〜接客、マインド、評価システムの構築】

スタッフを教育するにあたっては、スキルの習得具合を評価できるシステムを構築しました。
技術を習得し、技術チェックに合格すると技術手当が上がる=「技術が身に付けばきちんと評価される」システムでモチベーションを上げます。 また、お客様との会話の内容をルール化する等、より質の高い接客スキルの習得も徹底します。

美容ライト脱毛のみを行ってきたスタッフの中には本格的に美容電気脱毛の技術を学びたいという前向きなスタッフも多く、自主的な練習や資格試験へのチャレンジなど、教える側もやりがいがありました。
意外なことに大手サロン経験者などのベテランスタッフの方が、なかなか習慣を変えられなかったり、緊張感の緩みからか接客クレームを起こしやすかったです。
特に美容電気脱毛を行ってきたスタッフは職人気質で自己主張もあり、美容ライト脱毛に対して否定的でした。永久性の無い美容ライト脱毛の価値をすぐには受け入れられない事に苦労しました。

【新人スタッフ教育】

・新人は美容ライト脱毛の技術習得からスタート。
・マニュアル(理論・実技)を自主勉強し、その後勉強会でチェックする方法。
 勉強会時に「振り返りシート」を作成し、出来ていない部分の振り返りと今後の目標の設定に努めました。
・先輩スタッフとペアで説明とカウンセリングのロールプレイングを行う。また、技術習得状況をチェック。
 技術手当を文書化し、何をすれば給料が上がるのかを一覧でスタッフに解りやすくしました。
・予約ミス・当日キャンセル時の対応についての説明は一字一句マニュアル化しました。
 キャンセル料の伝え方は気を抜くとトラブルにつながりやすく、
 忙しい時に電話を取るのは新人スタッフなので、新人ほど電話応対の教育は重要です。
 たった一人のスタッフのせいでサロンの印象が決まってしまいます。
・「眉毛脱毛Q&A」、「VIO脱毛Q&A」、「美容ライト脱毛Q&A」等、よくある質問集を作成し、
 知識の浅いスタッフでも統一した受け答えが出来るようにしました。

<眉の脱毛 Q&A>

【例1】

Q:肌が弱いのですが、眉の脱毛は可能でしょうか。

A:カミソリや毛抜きの自己処理はとてもお肌の負担になりますが、
  美容電気脱毛は毛穴だけに作用するのでお肌への負担は少なく安全ですので、
  むしろお肌の弱い方におすすめです。
  また、美容電気脱毛をして毛を無くしてしまえば自己処理から解放され
  お肌も回復してきれいになってきます。
  ※ケロイド体質の方は原則お受けできません

【例2】

Q:眉毛を剃った部分が青くなってしまうのが悩みです。脱毛することで改善できますか。

A:このようなお悩みの方こそおススメです。
  美容電気脱毛は毛穴だけに作用するのでお肌への負担は少なく安全ですので、
  青く見えるのは、毛が太い、密集している、
  皮膚が薄い(毛根が透けやすい)ため、毛を無くしてしまえば
  青く見えることも無くなります。

今後の活動

現在、デリケート部位脱毛の美意識向上や、レーザー脱毛・美容ライト脱毛による硬毛化現象で美容電気脱毛のニーズは高まっています。
このニーズに応えていくためにも従来のブレンド脱毛に加え、高周波脱毛が学べるスクールを開校し、高周波脱毛が出来る美容電気脱毛士を育てると共に、美容電気脱毛士が長く働ける環境作りにも努力していきます。そして、高周波脱毛を広く世の中に発信していきたいと思います。

"CEU セミナーVol.42講演より抜粋

講師 恵澤千春CPE

株式会社エステティカ 代表取締役
AEA認定インターナショナルエステティシャン
日本成人病予防協会認定健康管理士一般指導員

<講師プロフィール>

大手エステティックサロンに勤務後、美容電気脱毛専門サロンをオープン。
1999年CPE認定資格取得。その後、美容ライト脱毛をサロンメニューに導入し、
毛質や希望の仕上がりに合わせお客様一人一人に“最適な脱毛法を提案するサロン”を総合プロデュースしている。
美容電気脱毛専門サロン ”シンシアリー(http://www.electrolysis-tokyo.com/)” 運営の他、
エステティックと脱毛サロンの経営セミナーや脱毛スクールも開校。

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